ジーンズ


街は、新しい服を着て新しい鞄を手に新しい靴を履いて
闊歩する人々で溢れていた。

僕はショーウィンドウを飾る色鮮やかなドレスや、
そこここにちりばめられた花々に一応に目を細めて、
溢れんばかりの陽光の中を手ぶらで一人そぞろ歩く。

古びたジーンズと履き慣れた靴を履いて。

四月がきて、僕らの関係はまた一つ、年をとった。