トランジット


「こういうのはね、理屈じゃないのよ。」と、彼女は言った。
確かにそうかもしれない、と僕も思う。

引き返すのか、このまま突き進むのか、それが問題だった。
そして、引き返すなら今しかないことを、僕も彼女も承知していた。